- 大きな声で笑えない
- 笑うと嘘くさい
- 長く笑っていられない
声優の練習で笑うのが苦手な方は多いです。
でも、いきなり大笑いしろと言われても、面白くもないのに笑えないですよね。
というわけで今回は、笑うのが苦手な方に笑い方の練習方法を説明していきます。
すぐに笑い方の練習方法を読みたい方はこちらからどうぞ。
こんにちわ!現役声優・ナレーター・演劇団体代表の「しいな」です!
事務所名は明かせないけど、声優を目指す人なら必ず一度は耳にする事務所に所属しています!
笑い方をマスターして、苦手意識を笑い飛ばしちゃいましょう!
笑い方の種類
「笑い」と一言でいっても、「笑い」にはたくさんの種類があります。
笑いの種類をいくつか並べてみました。
微笑:軽い笑顔。穏やかな笑い
爆笑:大声で笑うこと。ユーモアなどに対する強い笑い
嘲笑:皮肉や侮辱的な笑い
苦笑:置かれた状況の滑稽さに、戸惑いながら笑うこと
冷笑:さげすんであざ笑うこと
思い出し笑い:思い出して一人で笑うこと
照れ笑い:失敗や恥ずかしい際に、照れて笑うこと
作り笑い:おかしくないのに、わざと笑うこと
ザッと並べてみただけでも、こんなに「笑い」には種類があります。
声優はこれを意識的に演じ分けるのですから、難しいのも当然です。
これをいきなりやるのはとても難しいので、まずは基本的な笑い方から練習していきましょう。
笑い声の基本と与える印象
笑うときに最も一般的な50音は「ハ行」です。
「ハヒフヘホ」
一音ずつ連続してみると、印象が随分違います。
- 「ハハハハハハハハ」
- 「ヒヒヒヒヒヒヒヒ」
- 「フフフフフフフフ」
- 「ヘヘヘヘヘヘヘヘ」
- 「ホホホホホホホホ」
読んだだけでも、すべて印象が違いますよね。
今度は「カ行」にするとキャラクターがさらに立ってきます。
- 「カカカカカカカ」
- 「キキキキキキキ」
- 「ククククククク」
- 「ケケケケケケケ」
- 「コココココココ」
なんだか、悪役が笑っている雰囲気になってきます。
「コ」だけはニワトリ感が出ますが、ニワトリの擬人化した役なら使えそうです。
母音である「アイウエオ」も一風変わった笑い方をする役には使えます。
- 「アアアアアアア」
- 「イイイイイイイ」
- 「ウウウウウウウ」
- 「エエエエエエエ」
- 「オオオオオオオ」
笑いというよりも鳴き声や擬音のような印象になります。
夏になると「アアアアア」という、テレビを見て笑う声がご近所から聞こえてきます。
関係ないですね、すみません。
このように、笑い方は役の印象付けにとても重要なポイントです。
台本に笑い声が書いてあったら、役の手がかりになることもあるので気に留めるようにしましょう。
これを書いていたら、活性酸素の役をやったときに「カーッカッカッカ!活性!活性!」とアドリブで高笑いしたのを思い出しました。
これも関係ありませんね、すみません。
演技の笑い方は大きく分けて二通り
笑い方のアプローチには2つの方法があります。
- 演技的に笑っているふりを上手くする
- 心を動かして本心から笑う
演技をする上で、どちらが良い悪いということはありません。
どちらの方法でも本当に笑っているリアリティが伝われば問題ありません。
自分にあった方法を試して、合っている方からアプローチすることで、徐々にリアリティのある笑い方へ近づいていけます。
笑う練習は腹式呼吸を使ってやろう!
笑うことはとてもエネルギーを消費します。
さらに「ハ行」はとても息を使うので胸式呼吸だとすぐに息切れしてしまいます。
演じるときには長時間笑い続けるときもあるので、腹式呼吸を使って息をコントロールしながら笑う練習をしましょう。
腹式呼吸のやり方が分からない方は腹式呼吸のやり方とメリット・効果を読んでみてください。
笑い方のコツ1:笑っているふりの訓練
普段から大声で「アーハッハッハ!」と人前で笑える方はあまり苦労しないのですが、こういった経験が少ない人は「人前で笑う」ことに抵抗があると思います。
今までとは違う「笑い方」にしていくためには訓練して慣れていく必要があります。
やり方は簡単です。
まず鏡に向かって口を大きく「い」を言う形にします。
これで口角(口の両端)が上がることを意識します。
次に口角を下げないように意識しながら「ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ」と一言ずつ区切りながら言います。
「フ」と「ホ」は少し下がり気味になりますが頑張りましょう。
次に「ハ・ハ」「ヒ・ヒ」「フ・フ」「へ・へ」「ホ・ホ」と同じ音を2回ずつ口角を上げて声を出します。
このとき大切なのは、声を引かずに鏡の自分に向けて出すことです。
声を引くと、俗にいう「引き笑い」になって「嘘くさい笑い方」になります。
声は前に出すことを心掛けましょう。
さらに次は「ハ・ハ・ハ」「ヒ・ヒ・ヒ」と、3音ずつ出していきます。
最後に「ハハハハハ」「ヒヒヒヒヒ」と繋げて出してみましょう。
気付いた方もいるかも知れませんが、口角を上げて下げないように意識すると笑顔になります。
さらに鏡の中の自分が一生懸命「ハヒフヘホ」を言ってくるのは、なんだか本当に可笑しくなって笑えてくることもあります。
これは笑っている人がいると、思わずつられて笑ってしまう現象が起こっていて、比較的リラックスできている状態です。
笑う練習をするときはリラックスできる環境や状態(お風呂やベッドなど)で練習して、慣れてきたら人前で笑う練習をするようにしましょう。
緊張していると笑えないですからね。
笑い方のコツ2:心を動かして笑う訓練
心を動かして笑う方法も、最初はリラックスした環境や状態で練習しましょう。
目をつぶって、最近あった面白い出来事や記憶を思い出します。
実際に体験したことは勿論、テレビやアニメで笑ったことでも良いですし、お笑い芸人のネタでも良いです。
思い出したら、すぐに笑らず数秒は笑いを我慢してから笑うと、大きく笑いやすいです。
このときも引き笑いにならないよう笑い声は前に出すように意識してください。
出来たら次は目を開けて同じことをやってみましょう。
慣れてきたら、次は人前で笑う練習をやっていきます。
要するに、この練習方法は「思い出し笑いを増幅」して、笑う演技に利用しているわけです。
笑い方のコツ3:笑うテンポを変えてみる
「ハハハハハ」と連続して同じテンポで笑うだけではリアリティがないので、最初に「ア」や「ワ」を足して、最初の音を伸ばして笑ってみましょう。
例:「アーハッハッハッハッ」「ワーハッハッハッ」
笑うテンポをやリズムを意識的に変えてみて、どんなものが自然か確認しながら練習すると良いです。
色々な笑い方を録音しておいて、あとでまとめて確認すると簡単です。
長めに笑わないと確認しづらいので、何種類か頑張って長めに笑うようにしましょう。
笑い方のコツ4:長く笑い続けるコツ
笑っているうちに段々とテンションが下がってきて、長くても十数秒でおさまってしまいます。
一つのことだけで長く笑い続けるのは難しいので、途中で面白いことを足してあげると笑う演技が持続出来るようになります。
例えば、
- お笑い芸人が面白いことを言った⇒笑う
- 突っ込みが入る⇒笑う
- 芸人がリアクションで床に転がった⇒笑う
- 笑ってる自分も笑い過ぎて転んだ⇒笑う
こうして、どんどん想像で足していけば長く笑い続けることができます。
笑い方のコツ5:すぐに笑えるように準備しておく
では大笑いしてください、どうぞ!
はい!(えーと最近あった面白い出来事は…)
笑ってください
はい、すみません(面白いこと、面白いこと…)
じゃあ、隣の人笑ってください
間に合わなかった、うぅぅ…
このように、笑いを要求されてから思い出すと時間がかかってしまい、焦れば焦るほど緊張状態になって笑えなくなっていきます。
こうならないように普段から、
- これを思い出すとすぐ笑ってしまう
- 何度思い出しても笑える
ことを準備(ストック)しておくようにしましょう。
笑い方のコツ6:日常生活で「笑うこと」を意識する
練習のときだけ笑い方を意識していると、環境も時間もとれずになかなか上手くなりません。
「笑い方」だけに限った話ではなく、日常生活で自分が「今どうやったのか」確認する癖をつけることが大切です。
日常生活で自分が笑ったときに、
- どんな笑い方をしているか
- 笑ったとき手足や身体はどう動かしたか
- 人や物、何に対して笑ったのか
- 何が面白かったのか
これらを確認する癖をつけることで、笑う演技だけでなく演技力全体が徐々に上がります。
ほかにも「泣く」「怒る」「イライラする」など感情が動いたときに常に確認するようにします。
演技の訓練で、いちばん近くにある見本は自分です。
練習時間をどれくらいとれば良いのか気になると思いますが、これを習慣にすれば寝ているとき以外は常に練習できるようになります。
可能であれば、確認したことをアウトプット(再現)すると、さらに効率が上がりますよ。
ただし、道端でやると車などに轢かれる危険があるので、気を付けてくださいね。
演技についてもっと知りたい方は声優志望が演技力を上げる練習方法でも書いているので良かったら読んでみてください。
まとめ
自分が普段どんな笑い方をしているのか確認してみると、改善策も見つかってくると思います。